住宅購入を考え始めると、かなり早い段階で出てくるのが住宅ローンの事前審査です。
そこで迷いやすいのが、
- 普段使っている銀行でいいのか
- 不動産会社から紹介された銀行でいいのか
- ネット銀行の方が条件は良いのか
- 何行くらい比較すればいいのか
といった問題です。
住宅ローンは、金融機関によって金利だけでなく、審査の考え方や借入可能額、手数料、団信、手続き方法なども異なります。
不動産会社から紹介された銀行が、購入者にとって最も条件の良い銀行とは限りません。
一方で、不動産会社が普段から取り扱っている金融機関には、手続きをスムーズに進めやすいというメリットもあります。
大切なのは、どちらか一方を否定することではありません。
紹介された銀行も候補にしながら、自分でも他の住宅ローンを比較することです。
この記事では、銀行・ネット銀行・住宅ローン比較サービスの違いと、事前審査をどこで受ければいいのかを分かりやすく解説します。
住宅ローンの事前審査はどこで受けられる?
住宅ローンの事前審査を受ける方法は、大きく分けると次の3つです。
- 店舗型の金融機関へ直接申し込む
- ネット銀行へ申し込む
- 住宅ローン比較・診断サービスを利用して候補を探す
どの方法が一番良いかは、その人によって違います。
住宅ローンでは、年収、勤務先、勤続年数、年齢、他の借入、自己資金、購入する物件など、さまざまな情報をもとに審査されます。
そして重要なのが、金融機関によって審査基準や判断が同じではないという点です。
ある銀行では希望する借入額に届かなかった人が、別の銀行では異なる結果になることもあります。
事前審査に通れば住宅ローンは確定?
事前審査に通ったからといって、住宅ローンの融資が最終的に確定したわけではありません。
一般的な住宅ローンでは、まず申告した年収や勤務先、借入希望額などをもとに事前審査が行われ、その後、本審査へ進みます。
本審査では、提出書類などをもとに返済能力をさらに詳しく確認し、購入する物件の内容や担保価値なども確認されます。
事前審査は「現在の条件で住宅ローンを借りられる可能性があるか」を早い段階で確認するためのもの、と考えると分かりやすいでしょう。
銀行・ネット銀行・比較サービスはどう違う?
| 方法 | 主なメリット | 注意点 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 店舗型の金融機関 | 担当者と相談しながら進めやすい | 他行との比較は自分で行う必要がある | 相談しながら手続きを進めたい人 |
| ネット銀行 | WEBで申し込みや手続きを進めやすい | 商品によっては自分で行う手続きが多い | 自分で比較しながら進めたい人 |
| 比較・診断サービス | 複数の住宅ローンから候補を探しやすい | 比較・診断結果が融資承認を保証するものではない | どの金融機関を比較すればいいか分からない人 |
店舗型の金融機関
店舗型の金融機関は、担当者に相談しながら住宅ローンを進めたい人に向いています。
必要書類や手続きについて直接確認できるため、住宅ローンに慣れていない人でも進めやすいのがメリットです。
また、不動産会社が普段から取り扱っている金融機関であれば、営業担当者も手続きの流れを把握していることがあります。
一方で、紹介された金融機関だけでは、他行との条件の差は分かりません。
紹介された銀行を利用する場合でも、他の住宅ローンと条件を比較することが大切です。
ネット銀行
ネット銀行は、WEBを中心に住宅ローンの申込みや手続きを進められる商品が多いのが特徴です。
店舗へ行く時間を取りにくい人でも利用しやすく、複数の住宅ローンを自宅で比較できるメリットがあります。
ただし、商品によっては必要書類の準備や申込み手続きを購入者自身で進める部分が多くなります。
一方で、現在はネット銀行でも電話やチャット、対面相談などのサポートを用意しているところがあります。
「ネット銀行=すべて自分一人でやる」と決めつけず、サポート体制まで確認して選びましょう。
住宅ローン比較・診断サービス
住宅ローンを自分で比較しようとすると、かなり多くの項目を確認する必要があります。
たとえば、
- 変動金利・固定金利
- 実際に適用される金利
- 事務手数料
- 保証料
- 団信の内容
- 繰上返済の条件
- 借入可能額
- 融資実行までの期間
などです。
候補となる銀行を1行ずつ探すのが大変な場合は、住宅ローン比較・診断サービスを利用して候補を絞る方法もあります。
「どこの銀行を比較すればいいか分からない」という人は、まず候補を探すために利用するのも一つの方法です。
不動産会社から紹介された銀行は使ってもいい?
不動産会社から銀行を紹介されたからといって、その銀行を避ける必要はありません。
むしろ、担当者が普段から利用している金融機関にはメリットもあります。
たとえば、
- 金融機関の担当者と連絡を取りやすい
- 必要書類や手続きの流れを把握している
- 事前審査から決済までの進め方に慣れている
- 審査結果が出るまでのおおよその流れを把握している
といった点です。
住宅購入では、物件の申込みから契約、住宅ローン、本審査、決済までを限られた期間で進めることがあります。
そのため、金融機関とのやり取りがスムーズであることには十分なメリットがあります。
ただし、
「不動産会社から紹介された銀行=自分にとって一番条件が良い銀行」とは限りません。
紹介された銀行は、あくまで候補の一つとして考えましょう。
営業が特定の銀行を勧める理由
不動産営業が特定の金融機関を紹介する理由は、金利だけではありません。
実際には、
- 営業担当者がその銀行を使い慣れている
- 金融機関の担当者と連絡が取りやすい
- 過去に何度も取り扱った経験がある
- 住宅購入のスケジュールに合わせて手続きを進めやすい
といった理由もあります。
これは営業側だけのメリットではありません。
購入者にとっても、慣れている金融機関を利用することで手続きがスムーズになることがあります。
ただ、住宅ローンを長期間返済するのは購入者自身です。
手続きのしやすさと住宅ローンそのものの条件は、分けて考えることが重要です。
ネット銀行を積極的に勧めない営業もいる
不動産営業の中には、ネット銀行を積極的に勧めない人もいます。
その理由が、必ずしも「ネット銀行の商品が悪いから」とは限りません。
普段取り扱っている金融機関であれば、営業側も手続きの流れや必要書類を把握しています。
一方、購入者がネット銀行へ直接申し込む場合は、営業が住宅ローン手続きを主導しにくくなることがあります。
そのため、営業自身が慣れていないネット銀行を積極的に紹介しないケースも考えられます。
営業からネット銀行を勧められなかったからといって、それだけで候補から外す必要はありません。
事前審査は1行だけでいい?
事前審査を1行だけ受け、そのまま同じ銀行で住宅ローンを組む人もいます。
特に、給与振込などで普段から利用している銀行は最初の候補になりやすいでしょう。
ある程度納得できる条件が出れば、
「普段使っている銀行だし、ここでいい」
と考えるのも自然です。
ただし、給与振込口座だから必ず最も良い条件になるわけではありません。
住宅ローンの商品内容や優遇条件は金融機関ごとに異なります。
そのため、1行で納得できる条件が出たとしても、できれば一度は他の住宅ローンと比較しておくことをおすすめします。
比較した結果、最初の銀行が一番良ければ、より納得して選ぶことができます。
1行で落ちても、すべての銀行で落ちるとは限らない
住宅ローンは、金融機関によって審査結果が異なることがあります。
実際に、複数の金融機関で住宅ローンが否決されたあと、それまで候補にしていなかった別の銀行では審査に通ったケースもあります。
もちろん、金融機関を変えれば必ず通るという意味ではありません。
ただし、
1行の結果だけで「自分は住宅ローンを組めない」と決めつける必要はありません。
希望借入額、他の借入、勤務状況などを確認しながら、別の金融機関を検討できる場合があります。
事前審査はこの順番で考えると分かりやすい
どこで事前審査を受ければいいか迷ったら、次のような順番で考えると整理しやすくなります。
① 普段利用している銀行を確認する
まずは、給与振込などで普段から利用している銀行の住宅ローンを確認してみましょう。
普段使っているため相談しやすく、住宅ローンを組んだ後の口座管理もしやすいというメリットがあります。
取引状況による条件が用意されている場合もあるため、候補の一つとして確認する価値があります。
② 不動産会社から紹介された銀行も候補にする
不動産会社が普段から取り扱っている金融機関も候補にできます。
担当営業が手続きに慣れていれば、事前審査から住宅購入までスムーズに進めやすいからです。
ただし、ここで住宅ローンを決定する必要はありません。
まず購入手続きを進めるための候補として利用し、その後に他行と比較するという考え方でも問題ありません。
③ 希望額に届かなければ別の金融機関も検討する
最初の金融機関で希望する借入額に届かなかった場合は、別の金融機関も検討してみましょう。
金融機関によって審査の判断は異なるためです。
希望額に届かなかった理由が他の借入などにある場合は、その原因を整理することも重要です。
④ ネット銀行を含めて条件を比較する
事前審査が通った後も、最終的に住宅ローンを決める前にネット銀行などを含めて条件を比較してみましょう。
比較したいのは金利だけではありません。
- 適用される金利
- 事務手数料・保証料
- 団信の保障内容
- 繰上返済の条件
- 手続き方法
- サポート体制
- 融資実行までの期間
などを総合的に確認します。
住宅ローンは金利だけで選ばない
住宅ローンを比較すると、多くの人が最初に金利を確認します。
もちろん金利は重要です。
しかし、表示されている金利だけを見て決めるのはおすすめしません。
住宅ローンでは、
- 希望する金額を借りられるか
- 実際に自分へ適用される金利はいくらか
- 事務手数料や保証料はいくらか
- 団信にはどこまで保障があるか
- 繰上返済の条件はどうなっているか
- 住宅購入のスケジュールに間に合うか
- 困ったときに相談できるか
まで考える必要があります。
「一番金利が低く見える住宅ローン」と「自分にとって一番良い住宅ローン」は、必ずしも同じではありません。
まとめ|紹介された銀行だけで決めず、一度は比較する
住宅ローンの事前審査をどこで受ければいいか迷ったら、最初から1行だけに決める必要はありません。
まずは、
- 普段利用している銀行を確認する
- 不動産会社から紹介された金融機関も候補にする
- 希望額に届かなければ別の金融機関を検討する
- ネット銀行を含めて条件を比較する
という流れで考えると分かりやすいでしょう。
不動産会社から紹介された銀行を利用すること自体に問題はありません。
営業担当者が使い慣れている金融機関には、住宅購入の手続きをスムーズに進めやすいというメリットがあります。
ただし、その銀行が購入者にとって最も条件の良い住宅ローンかどうかは別の話です。
住宅ローンを長期間返済するのは、購入者自身です。
紹介された銀行を一つの候補として利用しながら、自分でも他の住宅ローンを比較する。
この考え方なら、手続きを進めやすいというメリットと、条件を比較できるメリットの両方を活かせます。
また、1つの金融機関で希望どおりの結果が出なかったとしても、それだけですべてを諦める必要はありません。
住宅ローンは金融機関によって審査結果や条件が異なることがあります。
事前審査を「通るか落ちるかを確認するだけのもの」と考えるのではなく、自分に合った住宅ローンを探すための第一歩として活用してみてください。


