致死遺伝子はなぜ生まれるのか?仕組みを分かりやすく解説
爬虫類のモルフについて調べていると、
必ずと言っていいほど目にする言葉があります。
「致死」
「この掛け合わせは危険」
怖い印象を持たれがちですが、
致死遺伝子は偶然や突然変異でいきなり生まれるものではありません。
この記事では、
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致死とは何か
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致死遺伝子が生まれる仕組み
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なぜ特定の掛け合わせで問題が起きるのか
を、遺伝の基本から解説します。
そもそも「致死」とは?
致死=必ず死ぬ、ではない
爬虫類モルフで言う「致死」とは、
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孵化しない
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生まれてもすぐに死亡する
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重度の奇形・神経障害・摂食不能
など、正常に生きていけない状態を指します。
「即死」だけでなく、生存が極めて困難な状態も含めて致死と呼ばれます。
致死遺伝子はどこから来るのか?
答え:もともと存在する遺伝子の組み合わせ
重要なポイントはここです。
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致死遺伝子は
後から突然生まれるものではない -
特定の遺伝子が
ホモ(2つ揃った)になることで問題が表面化する
つまり、
「組み合わせの問題」です。
遺伝子は本来「見た目以外の役割」も持っている
モルフ遺伝子は、
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色
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模様
だけを決めているわけではありません。
同じ遺伝子が、
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神経
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内臓の発達
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成長ホルモン
など、生命維持に関わる部分にも影響している場合があります。
ヘテロでは問題が出なくても、
ホモになるとその影響が強く出てしまうことがあります。
致死が起こりやすい典型的なパターン
① 共優性(不完全優性)× 共優性
最も有名で、理解しやすいケースです。
共優性モルフは、
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ヘテロ:問題なく発現
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ホモ(スーパーフォーム):
見た目は強化されるが、
内部に重大な異常が出る場合がある
イメージ
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Aa:きれい・元気
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AA:強すぎて体の設計が破綻する
この AA が致死・半致死になるケースがあります。
② 見た目に出ない問題が「ホモで表面化」
ヘテロでは隠れていた問題が、
2つ揃った瞬間に一気に現れるタイプです。
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内臓形成異常
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神経系トラブル
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摂食障害
👉
「見た目が派手=健康」とは限らない理由です。
③ 複数モルフの組み合わせによる干渉
単体では問題なくても、
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モルフA
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モルフB
を同時にホモ、または特定の組み合わせにすると、
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発生過程で干渉
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生命維持が破綻
するケースもあります。
これは経験則として避けられている掛け合わせが多いです。
なぜ劣性モルフでは致死が少ないのか?
劣性モルフは、
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ヘテロ:完全に隠れる
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ホモ:初めて発現
という性質を持ちます。
そのため、
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問題があれば
そもそも系統として残りにくい -
長期にわたって
健康な個体だけが繁殖に使われる
結果として、
比較的安定したモルフになりやすい傾向があります。
「致死=悪いモルフ」ではない
ここはとても大事な点です。
致死があるからといって、
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そのモルフ自体が悪
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飼育してはいけない
というわけではありません。
問題なのは、
致死を理解せずに危険な掛け合わせをすること
です。
ブリーダーが致死を避けるためにしていること
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スーパーフォームが致死の組み合わせは避ける
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ヘテロ止まりで繁殖する
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実績・報告のある危険な組み合わせを調べる
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親個体の健康・系統を重視する
これはモラルの問題ではなく、知識の問題です。
よくある誤解
「派手なモルフほど危険?」
→ ❌ 関係ありません
「致死は突然変異?」
→ ❌ 組み合わせの結果です
「ショップ個体は大丈夫?」
→ ⚠️ 掛け合わせ履歴は必ず確認すべきです
まとめ
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致死は「遺伝子の組み合わせ」で起きる
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特に共優性モルフのホモ化で起きやすい
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見た目だけでは判断できない
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正しい知識があれば避けられる
致死を知ることは、
爬虫類を安全に、長く楽しむための必須知識です。




